
なかなか会えない日が続き、アリアちゃんの働くお店に遊びに行くコフ。一緒に帰ることになり、今日こそ想いを伝えようと決意をする。アリアちゃんの友達の家まで送って付き合ってほしいと伝えるが、返事はすぐにもらえなかった。
告白をしてから数日が経った頃、アリアちゃんから連絡が来た。
「今度の土曜日空いてる?」
「空いてるよ!」
「じゃあ喫茶店でお茶しよー!」
「おっけー!昼過ぎに迎えに行けばいい?」
「14時ぐらいに家に来てくれる?」
「了解ー」
おそらく告白の返事をくれるのだろう。
この時僕は、告白の返事を聞けることに期待と不安が半々だった。

土曜日になり、そわそわして集合時間が昼過ぎなのに早起きしてしまった。
お昼まで時間があるので、洗車をしたり部屋の掃除をして時間をつぶす。
待っている時間というのは不思議なもので、家を出るまでの時間がすごく長く感じた。
13時をまわり、期待と不安を抱きながらアリアちゃんの家に向かう。
家の前に到着して連絡をした。
家からアリアちゃんが出てきて助手席のドアを開けた。
「おつー!お迎えありがと!」
「おつー!全然いいよー!」
「いつもの喫茶店でいい?」
「うん!いつもの所いこー!」

アリアちゃんの家の近くある昔ながらの喫茶店が二人の行きつけである。
店に着き、ホットコーヒーを2つ注文する。
ゆったりと話をしたのは、なんだか久しぶりな気がした。
相も変わらず、話題はアニメや漫画のことばかりだった。
会話が途切れて静かな空気が流れる。
そしてアリアちゃんが口を開いた。
「この前の告白の事なんだけど・・・」
少し間をおいて続ける。
「今は誰かと付き合うとかは考えられないんだよね」
「オタ活とかで時間が取れないし、彼氏は欲してないんだよね」
「だから今まで通り、友達じゃダメかな?」
「そっか・・・わかったよ」
「返事ちゃんとしてくれてありがとう」
「これからも仲良くしてね」
精一杯強がったけど、振られるのはやっぱりつらかった。
家までの車内の会話は、はっきり覚えていない。
心ここにあらずだったと思う。
家に着き、車から降りたアリアちゃんが「またね」と手を振る。
僕も「またね」と手を振り返した。
悲しさを紛らわせるように高速に乗り、遠回りして家に帰った。
そしてコフの恋が終わりを告げた。
付き合えなかったのは残念だったが、久しぶり恋でドキドキしたり、悩んだりたくさん心が動いた1年ですごく充実していた。
奥手な自分が少し変われたそんな恋だった。
完

読んでくださってありがとうございました。これにてコフ恋は終わりです。

コメント