
これは現在進行系の実話です。
休みの日にシーシャバーへ足を運ぶコフ。初めて作ってもらったシーシャの味は忘れられない。帰ろうとした時、一緒に帰ろうと言われ閉店まで待つことに。
閉店時間になり、お会計をする時に彼女が小声で話しかけてきた。
「すぐ締め作業終わらせるから近くのコンビニで待ってて」
アイコンタクトを送り、店を出てコンビニで待っていた。
帰る方向が一緒だから車に乗せてってほしいだけなのだろうか、晩ごはんを食べに行きたいのだろうか、もしかして誘われているのか、待っている間そんなことが頭の中を巡っていた。
コンビニで雑誌をパラパラめくっていると自動ドアが開き彼女が入ってきた。
「待たせてごめんねー、締め作業に時間掛かっちゃった」
「コーヒー飲む?お詫びに買ってあげる」
「お言葉に甘えて買ってもらおうかな」
自分はブラックコーヒー、彼女はラテを買ってコンビニを出た。
車に向かう道中どこか行きたい所があるのか聞いてみると
「特に行きたい所はないんだけど、一緒に帰れるかなぁと思って」
一緒に帰りたいと思ってもらえるだけで嬉しかった。
車に乗り込み、彼女の家に向かって発進する。
しばらく走っていると、ふと彼女が言った。
「ねぇ、ちょっとコンビニによって欲しいんだけど」
「なんか買い忘れたの?」
「まぁそんなところ」
コンビニの駐車場に車を止め、買い物を済ませて一服してから車に戻り発進しようとすると
「まだ時間ある?ちょっと話してから帰らない?」
「時間は全然大丈夫だからいいよ」
彼女はニコっと微笑んで話を始めた。
笑顔に見惚れていて、初めの方の会話はあまり入ってこなかった。
話の中で名探偵コナンの映画の話題が出て、初めの方の作品しか観てないと言うと
「今ならU-NEXTで観れるから一緒に観よ」
そう言うとタブレットを取り出し映画を再生させた。
車の中で2人きりの映画鑑賞会が始まった。
タブレットの画面に集中していてお互いの頭がコツンとぶつかった。
「ごめん、夢中になってて気づかなかった」
「私の方こそごめんね」
2人揃って顔を見合せ笑い合う。
映画鑑賞はあっという間に終わってしまい、日付けも変わってしまう時間になっていた。
「そろそろ帰る?」
「まだ観たいけど明日も仕事だから帰る」
残念そうに言う彼女に、まだ一緒にいたいのかなと思ってしまう。
なるべくゆっくり運転して彼女の家に向かう。
家の前に着き、車を降りる前に
「今日はいろいろありがとね、また一緒に映画観ようね」
「うん、楽しみにしてる」
「また連絡するね、バイバイ」
車から降りて、手を振る彼女。
「こっちからも連絡するよ」
こちらも手を振り返し、彼女がドアを閉める。
車を発信させたあと、バックミラーに映る彼女の顔は少し寂しそうに見えた。

次に映画を観る時は自分の家に誘う!


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